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お金の雑学

太陽光発電の買い取り価格引き下げ検討~NEWS WEBより

太陽光発電の買取制度について、電力会社が新規契約をストップしたり何等かの制限を設けたりして雲行きが怪しくなっています。
この状況を受け、経済産業省が有識者会議を開き、当面の対策案をまとめました。

以下、NHKの『NEWS WEB』のまとめです。

なぜ買取を制限するのか?

太陽光発電事業に参入する事業者が国の想定以上に急増したため。
電力会社にしてみたら再生可能エネルギー分だけで需要分を上回る可能性があり、そうなると電力の安定供給ができなくなるおそれがある。この状況を受けて、買取制限につながった。

他の再生エネルギーもあるのに太陽光だけに申し込みが急増した理由は?

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事業計画が立てやすく、参入しやすいため。
買取価格がコスト以上の価格で設定されているので利益計画が立てやすい。また、地熱や水力に比べるとパネルの設置が簡単。要するに、土地の確保さえできれば誰でも参入しやすい。
実際、国の認定を受けている制度のうち、96%が太陽光発電になっている。

太陽光発電が増えることのデメリットは?

需要に応じた供給ができない可能性がある。

太陽光発電は昼は発電できても、夜間や雨の日は発電量が減るので、時間によって、あるいは天気によって発電量にばらつきがある。このため、発電量の予測が立てづらく、太陽光発電ばかりになると需要に合わせた電力供給が難しくなる。これが電力会社の言うリスク。

経産省がまとめた対応案

〇太陽光発電の買取価格引き下げ検討
最初の3年間は導入促進のためにかなり高めに価格設定されていたがかなり導入が進んだので今後は大幅に買取価格を引き下げる。

〇価格決定時期を後ろにずらす
今の制度では、準備はできてなくとも国の認定を受けて電力会社に申請すれば買取価格が決まる仕組みになっている。結果、買取価格が高い時期に申請してそのまま放置されているものがある。これから発電が開始されるのか、放置したままになるのかすら見込みが立てづらい状況なので、これを防ぐために価格の決定は申込んだ時点ではなく、発電が開始された時点、もしくは電力会社との契約時点に変更しようという案。

〇決まった価格の引き下げも
申請だけして買取価格を確定させたうえで、パネルなどの費用が下がるのを待っているケースもある。これを防ぐために、今すでに買取価格が決まっていたとしても、発電されてないのであれば買取価格を引き下げようという案。ただし契約違反になってくる可能性もあるので議論の的になってくる。

対応案は再生可能エネルギー負担金の軽減につながるのか?

つながるが。。。

買取にかかった費用は電力利用者全体の電気料金に上乗せされている(負担金)。

今現在の試算では

225円/月

が上乗せ金額の平均額。経産省の対応案が実施されればこの金額は減少していく。が、実は225円というのは、申請だけしてまだ稼働していない案件は考慮されてない。今後、申請分が稼働してくると、

935円/月

が電気料金に上乗せされてくると試算されている。買取価格を下げることで負担金が減るとはいっても、そもそも今の225円というベースは今後大幅に増えていく可能性が高い。対応策で多少下げることができたとしてもどのあたりで着地するのかは流動的な状況。

制度を変更するデメリットと今後の課題

買取価格などを適正に変更していくことは重要だが、あまりに急激な変更をして高いハードルを課してしまうと再生可能エネルギーが広まらなくなるという懸念もある。かといってこのまま広げていくと国民一人ひとりの負担が増えていくことになる。それをどこまで許容できるのかが問題。

また、再生可能エネルギーは環境にも良いし、すべて国産で賄うことができれば国益も大きいのでコストとのバランスを見ながらいかにして導入を進めていくのかが今後の課題。

まとめ

結局のところ、買取価格は引き下げられる方向で調整が進んでいくものと思われます。経産省の有識者会議でもその点では意見は一致していたそうです。問題はどの程度の引き下げになるのかといったところではないでしょうか。

また、今現在の買取制度を前提に銀行の融資を受け、土地を借りたり購入したりしている事業者が少なからずいるようです。こうした事業者へのフォローもするのかしないのか、するならどの程度のことをするのかなど、決めるべきことはハッキリしているのではないでしょうか?融資を受けている人は返済という差し迫った問題があるので、早く対策の有無や内容を打ち出してあげないと苦境に追い込んでしまいかねません。

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