オリックス銀行カードローンとオリックスVIPローンカード。
どちらも商品名にオリックスという社名が入っているせいか、オリックスVIPローンカードもオリックス銀行のカードローン商品だと思われている方も少なくないでしょう。
しかし、オリックスVIPローンカードを販売するのはオリックス銀行ではなく、貸金業を営むオリックス・クレジット株式会社です。
事業母体が違ううえに、オリックス銀行カードローンは銀行カードローン、オリックスVIPローンカードは消費者金融カードローンとカードローンの分類においても違ってきます。
よって、両者の違いを結論から言うと以下のようになります。
オリックス銀行カードローン | オリックスVIPローンカード | |
事業母体 | オリックス銀行 銀行 |
オリックスクレジット 消費者金融 |
対象となる法律 | 銀行法 | 貸金業法 |
審査・融資スピード | 3日以上 | 最短即日 |
金利 | 1.7%~最高金利14.8% | 1.7%~最高金利17.8% |
ATM | 全国100,000台以上(2020年3月現在) | 全国173,000台以上(2020年4月現在) |
具体的に解説していきます。
銀行と消費者金融の違い
それでは今回の比較ポイントをよく理解してもらうためにも、まずは銀行カードローンと消費者金融カードローンの違いについて簡単に説明しておきましょう。
それぞれのメリット・デメリットは?
カードローンを比較する際に一番分かりやすいのがメリット・デメリットの比較です。
①銀行カードローンのメリット・デメリット
銀行カードローンのメリット・デメリットは下記のとおりです。
・消費者金融カードローンよりも低金利
・借入限度額が大きい
・自動融資機能がある
・申込先ローン商品の利用があれば金利値引きが受けられる
この中でも特記すべきなのは銀行カードローンの大きな特徴とも言われる低金利と高額な借入限度額です。
金利は消費者金融カードローンと比べ3%以上低金利なのが一般的で、申込先の銀行で住宅ローン等の借り入れがあればさらに金利値引きを受けられます。
また借入限度額も最大500万円という消費者金融カードローンよりも大きい800万円が多く、中には1,000万円というものまであり、高額な借入限度額を希望する方にとっては大きな差別化ポイントとなってくるでしょう。
なお、カードローンの限度額は一般に年収などの収入要件によって決まってきますがそちらについてはこの記事でまとめています。
また、限度額は金利とも大きな関係があります。金利と限度額の関係によってついては以下の記事が参考になります
・審査が厳しい
・審査時間が長い
・融資実行までが長い
・申込先の普通預金口座が必要なケースが多い
・借入・返済記録が預金通帳に残る
消費者金融カードローンと比べ最大のデメリットとなるのが融資スピードです。
即日融資が当たり前となっている消費者金融カードローンと比べると、審査スピード、融資スピード共に遅く、中には融資実行までに7日~10日というところもあるので、借り入れを急ぐ方には不向きなカードローンとなってきます。
また銀行口座開設を条件としているところが多く、その結果、普通預金口座との紐づけがされカードローン利用が記録として残ることになります。
これは家族バレを気にする方にとっては、気になってくるところでしょう。
②消費者金融カードローンのメリット・デメリット
オリックス・クレジット株式会社はその社名から信販会社だと勘違いしている方も多いのですが、オリックス・クレジット株式会社は貸金業に当たる消費者金融に分類されます。
その消費者カードローンのメリット・デメリットは下記のとおりです。
・即日融資が可能
・30分のスピード審査
・銀行カードローンよりも審査難易度が比較的低い
・無利息サービスなどの多くの各種サービスが利用できる
今や消費者金融カードローンの代名詞となったスピード審査と即日融資は最大のメリットと言えるでしょう。
しかも銀行カードローンよりは審査難易度が低いと言われ、大手消費者金融の審査通過率も下記のとおり高い結果を示しています。
・プロミス 審査通過率42.89%
アコムは「はじめてのアコム」というように一社目のカードローンに選ばれることが多いので審査通過率が高いようです。
この融資実行までの速さと高い審査通過率からも、借り入れを急ぐ方にとっては無視することのできない借入先となってくるでしょう。
・銀行カードローンよりも金利が高い
・銀行カードローンよりも借入限度額が低い
・総量規制による借入限度額規制がある
消費者金融カードローンは借入申込においては大きなメリットを発揮しますが、借入条件とは上記のように銀行カードローンより劣ってきます。
両者の金利等貸付条件はどう違う?
銀行カードローンと消費者金融カードローンの違いを再確認してもらったところで、本題のオリックス銀行カードローンとオリックスVIPローンカードの違いについて説明して行くことにしましょう。
オリックス銀行カードローンとオリックスVIPローンカードの金利比較
それではまず一番気になる金利について比較していきます。
両社の金利は下記のとおりです。
オリックス銀行カードローン | 1.7%~最高金利14.8% |
オリックスVIPローンカード | 1.7%~最高金利17.8% |
オリックス銀行カードローンは借入額が高額になるほど金利面で大きなメリットを生むカードローンとも言われています。
よって表面的な表示金利だけでは正確に判断することはできません。
1.オリックス銀行カードローンの金利設定
100万円未満 | 12.0%~最高金利14.8% |
100万円以上~150万円以下 | 6.0%~14.8% |
150万円超え~300万円以下 | 5.0%~12.8% |
300万円超え~500万円以下 | 4.5%~8.8% |
500万円超え~700万円以下 | 3.5%~5.8% |
700万円超え~800万円以下 | 1.7%~4.8% |
2.オリックスVIPローンカードの金利設定
30万円~50万円コース | 6.0%~最高金利17.8% |
100万円~150万円コース | 6.0%~14.8% |
200万円コース | 4.5%~11.8% |
250万円~300万円コース | 3.5%~9.8% |
350万円~500万円コース | 3.0%~5.8% |
550万円~800万円コース | 3.0%~4.8% |
かろうじて「700万円超え~800万円以下」の場合のみオリックス銀行カードローンの方が金利メリットが出ていますが、ほかでは「100万円以上~150万円以下」が同条件である以外はすべてオリックスVIPローンカードの方が低金利となっています。
限度額比較
次は借入限度額を見てみることにしましょう。
両社の借入限度額設定は下記のとおりです。
・オリックスVIPローンカード 最高800万円
両社とも最高800万円と変わりませんが、オリックスVIPローンカードは消費者金融カードローンで総量規制が関係してくるため、800万円という高額な借入限度額が設定されていても設定額には限界があります。仮に800万円の限度額をもらうとすれば、年収は最低でも2400万円必要になってきます。
どうしても年収に左右された限度額設定しか行えないため、それがないオリックス銀行カードローンとは大きく違ってくることになります。
希望借入額と年収のバランスをよく考え、自分に適した方へ申し込む必要があるでしょう。
このあたりの総量規制関連のことは以下にまとめていますのでご覧ください。
両者の申込条件はどう違う?
金利等貸付条件とともに気にしなければならないのが申込条件です。
特に融資実行までの時間がどうかはカードローン選びでは重要なポイントとなってくるケースも少なくありません。
融資実行時間比較
それでは融資実行に大きな影響を及ぼす審査時間をまずは比較してみましょう。
両社の審査時間は下記のとおりです。
オリックス銀行カードローン | オリックスVIPローンカード |
慎重審査 | 最短60分のスピード審査が可能 |
これはあくまでも審査がスムーズに行った場合の話ですが、オリックスVIPローンカードは即日融資の可能性がある審査時間を謳っています。
よってオリックスVIPカードローンは即日融資に対応可能です。
オリックス銀行カードローンは審査が遅いわけではありませんが、即日融資には対応していません。
利用開始はローンカードが郵送された後となるので、最短でも審査完了後から2~3日ほどの日数が必要となってきます。これは、今現在の銀行カードローンであればどこも似たような感じになってきます。
即日融資を希望されるなら消費者金融が現実的な選択肢となります。
借り入れを急ぐなら即日融資が可能なオリックスVIPローンカードを選ぶ必要があるでしょう。
当サイトおすすめの即日融資可能な消費者金融は以下のページにまとめてあります。
申込資格比較
そして次が申込資格です。
申し込もうにもこの条件をクリアできていないでは話にならないので、シッカリと把握しておく必要があります。
この申込資格については両社変わりはなく、下記のとおりとなります。
・満20歳以上69歳未満で毎月安定収入のある方
毎月、定期収入があると認められれば、パート・アルバイトや派遣社員、自営業者でも申込可能ですが、専業主婦と年金受給者は申込NGとなります。
なお、中には専業主婦でも利用可能なカードローンが地方銀行の一部にあります。営業エリア内に住むか勤務している必要がありますが、条件があえば利用可能ですので以下のページにまとめました。
両者の利用条件はどう違う?
契約後に一番の心配事となるのが借入・返済方法です。
カードローンは申し込みやすさが1つの特徴であり、利用者が増加し続けている1つの要因ですが、やはりカードローンに一番求められているのは利便性でしょう。
そこで契約後の利用に関して重要となってくるのがATM。
なんでもネットでという今の時代にカードローン業界ではこのATM利用は欠かすことができません。
よって、このATM条件がどうかが利用後の利便性に大きく影響し、利用者の満足度が大きく変わってくるのです。
稼働ATM台数比較
オリックス銀行カードローンとオリックスVIPローンカードは共に自社ATMを持たず、提携ATMのみの利用となりますが、その稼働台数は十分な数が用意されています。
両社の提携ATMの稼働台数は下記のとおりです。
オリックス銀行カードローン
⇒全国100,000台以上(2020年3月現在)
オリックスVIPローンカード
⇒全国170,000台以上(2013年現在)
オリックスVIPローンカードの利用可能なATM台数はオリックス銀行カードローンの約2倍となっており、都市銀行をはじめとし、ゆうちょ銀行や地方銀行、信用金庫など、日本全国で稼働しているCD・ATMの約99%で利用が可能となっています。
よって、共に十分な台数が確保されてはいますが、稼働台数の面ではオリックスVIPローンカードに分があると言えるでしょう。
下記が両社の利用可能な主要提携ATMとなります。
1.オリックス銀行カードローン
・三菱UFJ銀行
・三井住友銀行
・セブン銀行
・イオン銀行
・西日本シティ銀行
・ゆうちょ銀行
・ローソン銀行
・E-net
2.オリックスVIPローンカード
・三菱UFJ銀行
・三井住友銀行
・みずほ銀行
・りそな銀行
・埼玉りそな銀行
・新生銀行
・三井住友信託銀行
・ゆうちょ銀行
・セブン銀行
・イオン銀行
・UCS
・セゾンカード
・ローソン銀行
・@BANK
・E-net
・ゼロバンク
・バンクタイム
・全国の地方銀行
・全国の信用金庫
稼働ATM手数料比較
基本的にカードローンの場合、自社ATMは手数料無料ですが、提携ATMの場合は下記手数料が発生するところが大半となっています。
・利用金額1万円超え 216円
ATM利用者にとってカードローンの借入・返済に手数料が発生するかしないかは、申込先を選ぶ際にも重要なポイントとなってきます。
それでは両社の手数料はどうなっているのでしょうか?
実はオリックス銀行カードローンは提携ATMの手数料は完全無料となっていますが、オリックスVIPローンカードの場合は下記提携ATM以外は手数料が発生します。
・三井住友銀行
・ゆうちょ銀行
・新生銀行
オリックスVIPローンカードはオリックス銀行カードローンよりも提携ATMの稼働台数が多いというメリットはあるものの、使用料無料となるのはたった3つの銀行ATMのみです。
これは利用頻度が最も多いコンビニATMが含まれていないことから、上記提携ATMを探して回らないとならない事態となります。
都心ならまだしも地方では三井住友銀行や新生銀行のATMとなると潤沢に設置されているわけでもなく、全国各地にあるゆうちょ銀行と言えどもコンビニの出店件数には遠く及びません。
よってオリックスVIPローンカードのATM利用は有料となるケースが大半であると考えておく必要があるでしょう。
となれば毎月の利用回数にもよりますが、先程紹介した手数料が毎回発生してくることになるので、提携ATM比較においてはオリックス銀行カードローンの方が明らかにメリットが大きいと言えるでしょう。
オリックス銀行のATMと手数料については以下のページにまとめています。こちらもあわせてご参照ください。