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カードローンの返済

カードローンの返済方式、その種類や仕組みについて

賢いカードローン選びでまず気にしなければならないのが金利。

数万円の借り入れならばいざ知らず、数十万円、数百万円ともなれば金利の数パーセントの違いが支払う利息に大きく影響してくることになります。

よって、支払利息を軽減するためにも、申込み前の低金利のカードローン選びは欠かすことのできない重要ポイントとなってきます。

しかし、利息のことを考えるのであれば提示金利の数値に気を取られているばかりでは不十分なのです。

実は各カードローンは個々の返済方式を導入しており、どの返済方式なのかでも支払う利息に影響を及ぼすことになります。

そこで今回はカードローンに用いられる返済方式について詳しく説明していきながら、どの返済方式がお得なのかを検証していきます。

カードローンの返済方法は様々

カードローンの利用条件を見ていると返済方式のところには「残高スライドリボルビング方式」や「毎月元金定額返済」と様々違った名称が書かれていますが、気にはなってもあまり馴染みがないせいか、そのままスルーしている方がほどんどでは?

実はこの返済方式は元金をどのように返済していくか、利息をどのように算出するかをとり決めたもので、その規定に基づいた算出方法によって毎月の返済額が決定されます。

よって、どの返済方式を選ぶかによって元金の減り方は違ってきますし、当然、利息支払総額も違ってくるので、少しでも賢いカードローン利用をしたいのであれば決してスルーしていい項目ではないのです。

返済方式はいくつかのタイプの組み合わせ

下記の返済方式を見てください。

オリックス銀行カードローン 残高スライドリボルビング方式
みずほ銀行カードローン 残高スライド方式
アイフル 借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式
プロミス 残高スライド元利定額返済方式
アコム 定率リボルビング方式

返済方式の名称を見てもらえれば分かるのですが、それぞれに共通した単語が挿入されていますよね。

カードローンの返済方式を見てみると実に多くの名称がありますが、基本的にはいくつかのタイプの返済方式が組み合わされているのが実情なのです。

そして組み合わされるポイントは下記のものが挙げられます。

・リボルビング払いかどうか
・定額方式と定率方式、元金と元利がどう組み合わされているか
・残高スライド方式かどうか

よって、この3つをよく理解しておけば、申し込むカードローンの返済方式がどのようなものであるのか簡単に理解することができるでしょう。

①リボルビング払いかどうか

リボルビング払いという言葉は聞き慣れている方も多いことでしょうが、この返済方式はクレジットカードのリボ払いとして有名で、カードローンでも多く取り入れられています。

このリボ払いの特徴はたとえいくら借り入れたとしても、毎月返済する金額が定額となるという点です。

よって、借入限度額が30万円で5万円の借り入れをしても、30万円の借り入れをしても、毎月の返済額が5,000円に設定されていれば、借入額の大小にかかわらず毎月の返済額は5,000円のままです。

メリットは返済の負担がない点ですが、返済額が変わらないことから借入額が大きくなればなるほど返済期間は長くなり、元金の返済がなかなか進まないため支払う利息も大きくなります。

②定額方式と定率方式、元金と元利がどう組み合わされているか

カードローンの返済方式で一番わかりづらいのがこの項目です。

定額方式と定率方式、そして元金と元利がどう組み合わされるかによって、返済内容が変わってきます。

その組み合わせは下記のとおりです。

・元利定額方式(定額方式+元利)
・元金定額方式(定額方式+元金)
・元金定率方式(定率方式+元金)
・元利定率方式(定率方式+元利)

それでは一番導入率の高い元利定額方式の特徴について説明していきましょう。

元利定額方式(定額方式+元利)

このタイプがカードローンで一番多く導入されている返済方式で、残り3つはほとんど利用されていません。

よって、ほかの3つはともかくとしても、この元利定額方式はシッカリと理解しておくようにしてください。

元利とは返済額に利息が含まれているという意味で、定額方式とはその言葉のまま毎月の返済額が定額であることを意味します。

よってこの返済方式はリボ払いと同じ性質を持つ返済方式と言えるでしょう。

毎月の返済には借入残高に応じた利息が含まれるため、借入残高が大きい借入当初は利息支払の割合が大きくなり、なかなか元金返済が進まず返済が長期化する可能性が高い返済方式です。

年利15.0%で10万円の借り入れをして、毎月の返済額が5,000円とした場合の返済内訳は下記のとおりとなります。

1回目
利息額
10万円 × 15.0% ÷ 365日 × 30日 = 1,232円元金返済額
10万円 - 1,232円 = 98,768円
2回目
利息額
98,768円 × 15.0% ÷ 365日 × 30日 = 1,217円元金返済額
98,768円 - 1,217円 = 97,551円

返済当初は毎月の返済額の約25%もが利息支払に回されるため、元金返済は残りの75%となります。

つまり十分な元金返済が行われないため、毎月の支払利息はさほど少なくならず、返済期間は長引き、支払う利息も多くなるというわけです。

この仕組みを見ればリボ払いと同じといった意味を理解してもらえるでしょう。

③残高スライド方式かどうか

そして元利定額方式と同じく返済方式で重要となってくるのが残高スライド方式です。

カードローンの場合、この残高スライド方式と元利定額方式、そしてリボ払いの組み合わせが最も多いので、シッカリと理解しておくようにしましょう。

残高スライド方式は毎月の返済や借り入れによる借入残高の変化によって、毎月の返済額が変化していく返済方式です。

よってずっと定額返済によるリボ払いや元利定額方式の返済長期化を補う役割を果たすため、返済額を変えることでこれらのデメリットを防ぐことができます。

またこの方式は下記の2つのタイプに分類でき、返済金額に違いを生じます。

・残高スライド方式
・借入時残高スライド方式
1.残高スライド方式

残高スライド方式はカードローン業者が指定した日の借入残高を元として返済額が算出されるので、少額であろうとも指定日の前に随時返済すれば返済額は変化します。

2.借入時残高スライド方式

しかし、借入時残高スライド方式は返済額の算出に用いられる借入残高を指定日に特定する残高スライド方式に対して、借り入れを行った時点の借入残高を元に返済額が算出されます。

よって返済日の前に借り入れを行えばその時点の借入残高をもとに返済額の算出が行われるので、いくら随時返済を行っても返済額が変わることはありません。

しかし、随時返済後に新規借入を行えば、その時点の借入残高となるので随時返済分は反映されることになります。

つまり、返済日より前に新たな借り入れを繰り返せば、その度に返済額の算出が行われるということです。

各社の返済方式から見るその特徴

それでは返済方式の基本的知識を理解してもらったところで、実際に先ほど挙げた下記各社の返済方式について説明していきましょう。

オリックス銀行カードローン 残高スライドリボルビング方式
みずほ銀行カードローン 残高スライド方式
アイフル 借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式
プロミス 残高スライド元利定額返済方式
アコム 定率リボルビング方式

オリックス銀行カードローンの残高スライドリボルビング方式

オリックス銀行カードローンの残高スライドリボルビング方式はリボ払いに残高スライド方式を加えたものです。

残高スライド方式で簡単に説明しましたが、この2つを組み合わせることで長期返済となるリボ払いの短所をカバーして返済の長期化を防止します。

オリックス銀行カードローンの100万円以下の返済額は下記のようになっています。

10万円以下:3,000円
10万円超30万円以下:6,000円
30万円超50万円以下:9,000円
50万円超100万円以下:15,000円

リボルビング払いだけだと最低返済額7,000円はいくら借り入れしても変わりませんが、ここに残高スライド方式を加えることで下記のように返済額を増額することができます。

・借入残高10万円 毎月の返済額7,000円
・借入残高40万円 毎月の返済額10,000円
・借入残高60万円 毎月の返済額20,000円

上記のように借入額の増大に応じて返済額を増やすことで、返済期間の長期化を防げるわけです。

しかし、返済額が増額されたからといって返済する元金が増えるわけではありませんし、毎月の返済や繰り上げ返済で元金が減れば、逆に毎月の返済額は減額されます。

つまり決められた約定返済額だけの返済では元金がなかなか減らないという点が、この返済方式の特徴でありデメリットとなってくるのです。

よって残高スライドリボルビング方式では余裕がある時に繰り上げ返済を行い、できるだけ元金返済を進めることが利息の大幅な削減に繋がる一番の手段となってきます。

この点はシッカリと理解しておきましょう。

みずほ銀行カードローンの残高スライド方式

みずほ銀行カードローンの残高スライド方式の返済方式は残高スライド方式のみの適用となり、毎月10日現在の借入残金に応じて翌月の返済額が決定されます。

その返済額は下記のとおりです。

(借入限度額が200万円未満)
・1万円以上50万円以下⇒1万円
・50万円超100万円以下⇒2万円
・100万円超⇒利用残高が50万円増えるごとに1万円の追加
(借入限度額が200万円以上)
・1万円以上100万円以下⇒1万円
・100万円超200万円以下⇒2万円
・200万円超⇒利用残高が100万円増えるごとに1万円の追加

借入限度額が200万円以上を見てみると100万円を超えても毎月の返済額は1万円と明らかに少ないことがわかります。

残高スライド方式によって借入残高に応じた返済額の増額が行われているとはいえ、この返済額は少なすぎることから返済期間の短縮は望めません。

よって利息返済の割合が大きくなり、高額借入をするほど返済期間は長くなり、支払利息も大きくなると判断できるので、みずほ銀行カードローンでも賢い返済をするには確実に元金を減らせる繰り上げ返済が必要となってくるでしょう。

アイフル、プロミスの借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式

アイフルの借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式は大手消費者金融で多く導入されている返済方式で、下記のような呼ばれ方もします。

・借入後残高スライド元利定額リボルビング払い
・借入後残高スライド元利定額リボルビング返済
・借入後残高スライド元利定額返済方式

よって、残高スライド元利定額返済方式のプロミスもアイフルと同じ借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式というわけです。

借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式はオリックス銀行カードローンの残高スライドリボルビング返済方式に元利定額方式を加えたものです。

よって、借入残高によって決まった適用返済額が決められており、その返済額には利息が含まれることになります。

アイフルの返済額は下記のとおりです。(サイクル性の場合)

・1円~10万円以下⇒5,000円
・10万円超え~20万円以下⇒9,000円
・20万円超え~30万円以下⇒13,000円

この返済方式も先の2つと同様になかなか元金が減らないというデメリットがあるので、賢い利息支払いをするにはやはり繰り上げ返済による元金減額が必要となってきます。

また、アイフルは借入時残高スライド方式をとっているので、先ほど説明したように返済金額の決定期日が残高スライド方式のプロミスとは違ってきます。

この点は注意するようにしましょう。

アコムの定率リボルビング方式

定率という用語についての説明は初めてとなりますが、この定率の意味は「決められた割合」を指します。

つまり算出時の借入残高に「決められた割合」をかけた金額を毎月の返済額として算出する返済方法となるのです。

この定率リボルビング方式を導入しているアコムでは、下記のとおり利用者に設定されている借入限度額に応じて「決められた割合」が決められています。

・借入限度額1万円~30万円以下⇒4.20%
・借入限度額30万円超え~100万円未満⇒3.00%

よって借入限度額が50万円に設定された利用者が20万円の借り入れを行った場合、毎月の返済額は下記のようになります。

50万円 × 3.00% = 15,000円
*1,000円未満は切り上げ

この定率リボルビング方式の最大の特徴は、追加借入しない限り毎月の返済額が変わらないという点です。

よって、50万円借りて返済が進み借入残金が20万円となっても、毎月の返済額は15,000円のまま変わりません。

しかし、そこで5万円の追加借入をして借入残高が25万円となれば、再度返済額の算出が行われ、下記のように返済額が変わります。

25万円 × 3.00% = 7,500円

この定率リボルビング払いは追加借入によって、毎月の返済額が大きく変動する可能性が高いため、通常のリボ払いとは全く違った返済方式となってきます。

特に返済が進まないうちに追加借入すれば、毎月の返済額が大きく増額されることにもなりかねません。

借入後の返済額を考慮した借り入れが必要となってくるでしょう。

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