30分のスピード審査に即日融資と現在のカードローンは申し込みから借り入れまでの早さがウリとなっており、それを目的に申し込む方も少なくありません。
特に消費者金融のカードローンはその傾向が強く、大手消費者金融ともなれば即日融資に対応しているのは当たり前の話です。
それもあってかカードローンは申し込みやすい上、審査も通りやすいと思っている方は少なくありません。
事実、審査に落ちることなど考えずに申し込む方は多いことでしょう。
しかし、その認識は完全な誤解です。
消費者金融にしろ銀行にしろ、審査時には各社が定めた審査基準をクリアする必要があり、申込者の半数以上が審査不通過となっています。
カードローンの審査は決して通過しやすいものではありません。
となれば審査ではどんなことが調べられているのか気になってくるところでしょう。
現在、カードローン審査に用いられているのはスコアリングという審査方法で、スコアリングでは属性と呼ばれる様々な個人情報が審査基準とされています。
よって審査基準として用いられる属性にはどのようなものがあるのか、スコアリングとはどのような審査方法なのかを理解しておけば、審査通過可能かどうかをある程度は予測することも可能になってきます。
カードローン審査はどんなことが行われるの?
審査通過率は全社が公表しているわけではありませんが、大手消費者金融の中には公表しているところも少なくありません。
そして大手消費者金融の中でも審査通過率が高いと言われている各社の数字は下記のとおりです。
(アコムIR情報より)
・プロミス 審査通過率42.89%
アコムは「はじめてのアコム」というように一社目のカードローンに選ばれることが多いので審査通過率が高いようです。
審査通過率が高い上位3社でも、その数値は50%に満たないのが実情なのです。
この数字を見ればカードローン審査は決して通りやすいものでないことがお分かりいただけるでしょう。
カードローン審査に用いられる審査基準とは?
なにをもって審査の合否判断がくだされるのか?
まずはこの点をシッカリと理解できていなければ、何が申し込んだ方の合否結果に影響したのか全く見当をつけることもできません。
それが審査基準です。
消費者金融にしろ銀行にしろ、各カードローン業者は独自の審査基準を持ち、申込者がその基準をクリアできているかどうかで審査の合否判断を下します。
よって、まずはどのような審査基準が用いられているのかを把握することが重要なポイントになってきます。
しかし、残念なことに審査基準を公表している業者は1つもなく、しかも審査基準は各社間で統一されているわけではありません。
となれば審査基準に関しては何の対策を立てることはできないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
今のところ明確な審査基準は紹介できないのが実情ですが、審査時に必ず用いられる一般的な審査基準については予測することはできます。
①必ず審査基準に織り込まれる属性とは?
明確な審査基準については記述できませんが、一般的に審査基準に用いられる項目には下記のようなものが挙げられます。
・年収
・勤務先
・雇用形態
・勤続年数
・仕事内容
・保険証の種類
・住居種類
・居住年数
・家族構成
・電話種類(固定電話があるかないか)
・他社借入総額
・他社借入件数
これら各項目は属性と呼ばれ、この各属性の状態を審査時に確認して、その総合評価によって審査の合否が決定されているのです。
②各属性はどのように評価されるの?
それではこれら各属性はどのような評価が行われているのかを見ていくことにしましょう。
1.年齢
カードローンは原則、未成年者の申し込みはできませんし、一般的には65歳~70歳くらいが申し込み可能な上限となっています。
よって、審査の合否評価においても申込者の年齢がいくつなのかは1つの判断材料となってくるのです。
一般的には若年層の評価は低く、総体的には20代後半から50代前半が一番高い評価となると言われています。
20代前半は離職率が高く、給与も十分でないので評価は低くなってしまいますが、20代後半から50代前半のいわゆる働き盛りの場合、離職率が低い上、給与も上昇時期であることから高い評価が下されます。
この年代がカードローンに一番通りやすいと言われるのも、こういった理由があったればこそです。
しかし、残念なことに年齢とともに評価が高くなるのは50代前半までで、定年退職前の50第後半になると評価は低くなり、60歳を過ぎるとさらにその傾向は強くなってきます。
これは退職によって安定した収入が絶たれてしまうと考えられるからです。
よって年齢に関しては、下記のような評価バランスになると考えられるでしょう。
しかし、年齢の評価が低かったからといって、それだけで審査NGとなることはありません。
この点は勘違いしないように、よく理解しておいてください。
2.年収
年収は返済の礎とも言えるので、高ければ高いほど高評価となります。
よって、同年代の平均年収を上回っている場合も、同じく高い評価となってきます。
しかし、年収が低いからという理由で審査NGとなることはありません。
審査時には合否結果だけでなく、利用時の借入限度額の設定も行われます。
この借入限度額設定で年収に見合った融資額が設定されるので、借入限度額に影響を与えることはあっても年収の大きさが審査合否に影響を与えることはないからです。
ですが消費者金融においては他社借入がある場合、話は別ものとなってきます。
銀行は関係のない話ですが、貸金業者である消費者金融は下記内容の総量規制という貸金業法を順守する必要があるからです。
・個人に対して年収の3分の1を超える貸し付けを行ってはならない
申込時に他社借入が多い場合は、年収がネックとなって審査NGとなったり、借入限度額が極端に低く設定されるケースも少なくありません。
この総量規制に関しても年収の大きさが大きく影響してくるので、やはり審査において年収のみが審査NGとなる原因とはならないけれども、高ければ高いほど大きなメリットを生むことには違いないでしょう。
3.勤務先
勤務先が原因で審査NGとなることはありませんが、審査時の評価には影響しているのが実情です。
一般的に一番評価が高いと言われているのが公務員で、一部上場等の民間大手有名企業の正社員がそれに続きます。
これは離職率が低いことと高収入、そして勤務先の安定性が評価された結果で、どちらも高い返済能力を備えていると判断されるからです。
特にこの2つの場合、通常ならば低く抑えられる50代後半の借入限度額もその傾向は見られません。
これは仮に退職時に返済完了となっていなくても、多額の退職金が期待できると考えられているからで、実際に複数のカードローンを利用している公務員や有名企業の正社員は珍しくないのです。
これに対してアルバイトやパートは離職率が高いと考えられており、安定した収入が継続できるかという点で評価が低くなってしまいます。⇒離職率について
そして意外なのが個人事業主や自営業の方たち。
高収入の方も多く見られるので一見不思議に思えるのですが、創業後何十年と経過している方ならば話は別ですが、収入が安定していない、借り入れを事業資金として流用される可能性があると考えられるため、たとえ高収入であったとしても評価は低くなってしまいます。
よって勤務先による評価バランスは下記のようになってきます。
しかし、ここで注目してもらいたいのが個人事業主・自営業への評価です。
ここでは最低ランクの評価となっていますが、個人事業主と自営業に対する評価は申し込み先によって少々違いがあるようです。
上記のような評価ではなく、パート・アルバイトよりも高い評価とするところもあり、その違いは銀行と消費者金融では顕著に現れています。
銀行はパート・アルバイトへのカードローン融資は行いますが、個人事業主・自営業への融資は厳しく、消費者金融の方が審査に通りやすいと言われています。
個人事業主と自営業の方はこの点をよく理解しておきましょう。
4.雇用形態
近年は定職に就かないフリーターと呼ばれる方が増加していますが、ちゃんと働いて安定した収入を得ていたとしても、その雇用形態は審査に少なからず影響を及ぼします。
契約社員や派遣社員、アルバイトやパートは正規雇用でないこともあって、離職率が高いと考えられるからです。
これは次に説明する勤続年数でカバーすることも可能ですが、基本的には正規雇用者と比べれば低評価となると考えておいた方がいいでしょう。
一般的な評価バランスは下記のようになります。
ここでも先ほどの勤務先と同じようにパート・アルバイトと個人事業主・自営業に対する評価は申し込み先によって違ってきます。
先ほどと同じく注意するようにしましょう。
5.勤続年数
先程勤務先について説明しましたが、実はその勤務先よりも重要視されるのが勤続年数です。
離職率が低く、高収入が約束されている勤務先でも、勤続年数が短ければこの先ずっとその収入が得られるとは判断できません。
勤続年数が長ければ長いほどこの先もずっと働き続ける可能性が高いと判断するのです。
よって半年から1年未満とあまりに短い勤続年数では、勤続年数が原因となって審査NGとなるケースも少なくありません。
中には半年以上の勤続年数ならば問題なしといったように、この判断は各社で違いはあるようですが、審査NGとならにためには最低でも1年以上の勤続を経過してからの方が確実でしょう。
6.仕事内容
勤務先や雇用形態は審査には影響してきますが、その内容である業種や職種、役職はほとんど影響しないと言われています。
ですが申込時に情報提出を求めている場合は、少なからず審査に影響があると考えておいた方がいいかもしれません。
一部の間では高収入である金融や商社、出版業は審査に有利で、低収入の小売業は審査に不利、役職は高ければ高い方が良いという声もあるようです。
しかし、審査評価にこの属性を加えられている場合でも、この属性が影響して審査NGとなることだけはないでしょう。
7.保険証の種類
健康保険証の種類が審査に影響するという見立てもありますが、実のところは勤務先確認のために利用されることが一般的なようです。
健康保険証には下記の種類があり、勤務先によってその形態が違ってきます。
・共済組合 公務員
・組合保険 有名企業
・社会保険 中小企業
・国民健康保険 個人事業主・自営業
よって健康保険証の種類の違い=勤務先の違いということで、結果的に審査に影響するという見方もできます。
また、無保険者は大きなマイナス評価となる恐れがあるので、この点は重々承知しておいてくださいね。
8.住居種類
賃貸よりも万が一のために差押えが可能な自宅持ちの方が審査に有利とする声もあるようですが、実際のところは住居種類よりも住居への支払い額の方が重要視されているのが実情です。
賃貸でもなく、住宅ローンも抱えていなければその分の支払い負担はなく、返済に充てることのできる金額が増えます。
よって親名義の住居に同居というのが一番高い評価となってくるのです。
これに対して住宅ローンや多額な賃料支払いがある場合は、大きなマイナス評価となってきます。
多額の返済や支払いがある場合は、その分、返済能力が低下すると判断されるからです。
住宅ローンや家賃支払いが年収の40%を超えているようだと、審査はかなり不利な状況となってくるでしょう。
9.居住年数
居住年数は長いほうが信頼性が高くなるという声もあるようですが、これも審査にはさほど影響はないように思えます。
居住年数が審査基準に加えられているのも、借金逃れのために引越しを繰り返す方を選別するためです。
よって持ち家ではなく賃貸で1年未満という場合は不利になるケースもありますが、転勤等のやむ得ない事情があれば全く審査には影響ありません。
10.家族構成
これも単独で審査に大きな影響を与える属性ではありませんが、一般的には返済が厳しくなった時に頼る相手のいない1人暮らしは不利になると言われています。
これに対して連帯保証人とも言える親と同居している場合は有利と判断するところもあります。
また既婚で子供持ちの場合は養育費が掛かるため返済余裕が少なくなるので不利と考えるところもあれば、責任感が強く信頼できるため有利と考えるところもあります。
以上のように家族構成については判断も曖昧なため、それほど気にしなくてもいい属性とも言えますが、ほかの属性評価が低い場合は合否ラインを決定する要因となることも考えられます。
この点はよく理解しておきましょう。
11.電話種類(固定電話があるかないか)
電話は固定電話の方が審査に有利となるという声もあるようですが、実のところは固定電話があるからといって審査有利となることはありません。
よって基本的には電話の種類が審査基準として重要視されることはないと言えるでしょう。
しかし、申込者が個人事業主や自営業の場合は話が別です。
近年は固定電話を持たず事業を行っている業者も多くなっているようですが、これら業種に限っては固定電話が事務所の存在を明らかにするひとつの手段となってきます。
携帯電話だけでは本当に事務所があるのか、本当に会社が存在するのか判断できません。
先程説明したように個人事業主や自営業の場合はその属性自体の評価も低いので、さらに不利な状況にならないためにも、この点はよく理解しておくようにしましょう。
12.他社借入総額
審査時にどれくらいの他社借入があるかは合否判断に大きな影響を及ぼすポイントとなってきます。
高額借入は高額返済を伴うので、その分、返済能力の低下が懸念されることになるのです。
借入額が負担となるかどうかは年収によっても違ってきますが、高額借入が審査に悪影響を及ぼすことになるのは間違いありません。
特に消費者金融の場合は貸付規制のある総量規制が影響してくるので、年収の3分の1がデッドラインとなってきます。
よってそれを超えていたり、それに近い借り入れがある場合、消費者金融では審査NGとなる可能性は高いでしょう。
また借り入れできたとしても、少額の借入限度額となることは目に見えています。
借り入れが多い場合は、まず返済を進めてから申し込むか、総量規制の対象外である銀行カードローンに申し込むかの2択となります。
13.他社借入件数
他社借入総額もさることながら、他社借入件数も審査では重要視される属性です。
借入可能なところが6社あったとしましょう。
ですがその6社のどこからも一切借り入れは行っていません。つまり借入総額は0円です。
この状況の申込者は審査を無事通過することはできるでしょうか?
答えはNOです。
YESと考えた方もいるでしょうが、たとえ借り入れが0円だとしても借り入れできるところが複数あれば数時間で高額な借り入れになっていても不思議ではありません。
よって、総借入件数が多い場合は、一発で審査NGとされるケースも少なくないのです。
申込時の総借入件数は2社くらいにとどめておくことをおススメします。
多い場合は利用しておらず必要のないところを解約し、総借入件数を減らしてから申し込みましょう。
また、総借入件数で見落としがちなのがクレジットカードのキャッシング枠です。
知らない方も多いかと思いますが、このキャッシング枠も借入件数として加算されます。
中にはクレジットカード申込時に自動的に付帯しており、キャッシング枠がついていることすら知らないという方もいるようです。
クレジットカードは複数枚利用している方は少なくありません。
このキャッシング枠が原因となって審査落ちとならないよう、十分に注意するようにしましょう。
③審査はコンピュータによる自動スコアリングで行われる
ここまでの属性についての説明を見てもらえれば、その評価の総合点数で審査合否が決まることはご理解いただけたことでしょう。
各カードローン業者によって用いられる属性も評価バランスも違ってきますが、各属性が何であるかによって最終的な評価点数がはじき出され、それが審査基準として設定された点数をクリアできていれば無事審査通過となります。
この採点による審査方法をスコアリングと呼びます。
現在のスコアリングはどこもコンピュータを用いた自動スコアリングを導入しており、申込時に申告された属性内容に沿って自動的に採点結果がはじき出されるのです。
30分のスピード審査も、この自動スコアリングが導入された成果の一つと言えるでしょう。