個人融資の代表格ともなったカードローン。カードローンに似たような融資商品は昔からありましたが、現在のカードローンのように融通がきくものではありませんでした。現在のカードローンは事業性資金以外であれば使用目的を問わず利用できますし、無担保、保証人なしでの利用が可能です。対して、以前の個人向け融資は、不動産や預金などの担保が必要なのが一般的でしたしそれで担保力が足りなければ保証人を立てる必要もありました。利用目的も車や家、冠婚葬祭等、用途は限られてしまうのが普通です。
このような融資の場合、銀行から比較的低金利で借りることはできましたが、比較的一旦申し込んでから審査を経て融資が実行されるまでにかなりの時間がかかっていました。大体、1か月程度かかるのが普通だったようです。
一方、昭和の早い時期から貸金業者は存在していました。いわゆる消費者金融です。これらの貸金業者が扱う個人向けの融資(貸付)は一般的には"キャッシング"と言われ、平成になってからもしばらくは銀行=有担保融資、消費者金融=キャッシングといった区分けがされていたものです。
しかし、個人の資金需要が非常に大きいことは消費者金融でなくとも周知の事実であり、銀行ではフリーローンという名称で資金使途原則自由の融資商品も扱うようになっていきました。もっとも、フリーローンの場合、資金使途自由とはいっても融資は最初の一回のみであり、一旦振り込まれたらその後はひたすら返済のみという従来の融資パターンを踏襲していました。つまり、融資後に何等かの不測の事態が起きてお金の返済が難しくなった場合、借り手は親戚や知人に借りまくるか、自己破産するかしかなかったのです。
こうした状況のなか、もっと融通の利く融資商品として登場したのがカードローンです。カードローンは資金使途が原則自由という点ではフリーローンと同じですが、限度額が設定される点が大きな違いでした。申込者の返済力を審査し、どのくらいまでなら融資可能かを算出、その額を限度額として設定するわけです。設定された限度額内であれば、何度でも利用ができるというのが非常に画期的であり、利用者も金融機関もこぞって取扱いを始め、現在に至っています。
カードローンは銀行側の集客手段としても非常に有効でした。ひと昔前は、絶対に倒産しない企業という位置付けだった銀行も、バブルが崩壊してからは倒産が相次いだこともあり、決して安定した企業と言えなくなりました。キャッシングを利用する消費者の方も年々増えている傾向であり、より収益を上げる為に、利用者にとって利便性の高いカードローンを扱うようになったのです。
また、銀行のカードローンの場合、当初は口座をもってなければカードローンの利用はできない規約を採用するところばかりでしたが、最近では口座開設してなくても利用できる銀行カードローンが多くなってきています。
カードローンの返済は、主に指定口座から決められた金額を返済する方式になっています。昔の貸金業者だと、わざわざ銀行窓口で振込みをしたり、事務所まで返済しに行ったりしていましたが、最近では返済のためにATMへ赴く必要がなくなっています。月々の返済額も融資限度額によって異なってはきますが、概ね3000円前後からの返済が可能であり、毎月の負担感を抑えた返済方法を選択する事が出来ます。