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保険

社会保険の基礎知識~種類と内容を解説

1.社会保険の全体像

広義の社会保険は、「社会保険」(狭義)と「労働保険」の2つに大きく分類されます。
狭義の「社会保険」には、「医療保険」や「厚生年金保険」等があり、「労働保険」には、「労災保険(労働者災害補償保険)」や「雇用保険」があります。

2.狭義の社会保険について

狭義の社会保険には、「医療保険」「介護保険」「厚生年金保険」があります。
順番に見ていきましょう。

(1) 医療保険

医療保険とは、健康保険法に基づく医療保険制度の下、労働者と事業主が保険料を負担し合い、本人や扶養家族の業務外の事由による病気、ケガ、出産、死亡などに対する給付を受けることができる制度です。
労働者の働き方によって、健康保険、共済組合、船員保険、国民健康保険など、適用される保険制度が変わってきます。
民間企業の労働者が利用する健康保険の運営母体としては、健康保険組合(健保組合)と全国健康保険協会(協会けんぽ)等があります。健康保険組合は、各企業・業界等により設立され、全国健康保険協会は都道府県ごとに設置されています。
医療保険における治療費の自己負担額は、年齢によっても異なりますが、3割負担が原則となっています。

(2) 介護保険

平成12年4月に施行された介護保険法に基づく、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みです。
被保険者(介護保険の加入者)は、65歳以上の人(第1号被保険者)と、40歳以上65歳未満の医療保険加入者(第2号被保険者)です。市町村が保険者となり、各人の給与から控除する等により保険料を徴収しています。
介護給付の支給対象者は原則65歳以上で、給付には介護給付と予防給付があります。
介護給付は要介護状態にある人に、予防給付は要支援状態にある人に給付されますが、申請と認定が必要です。

(3) 厚生年金保険

年金制度については、国が保険者となって給付を行う国民年金や厚生年金等の「公的年金」、企業が任意で福利厚生制度として行う退職年金や厚生年金基金等の「企業年金」、個人が自ら行う生命保険の個人年金等の「私的年金」の3種類があります。
公的年金の1つである厚生年金保険は、民間企業の勤労者に対する年金制度です。
国民年金は基礎年金とも呼ばれていて、自営業や会社員等の働き方の違いに関係なく、全ての国民に基礎年金を支給するための世代間の支え合いの仕組みです。20歳になると国民年金の加入義務が生じますが、給与所得者の場合は、就職した段階で厚生年金保険の被保険者となります。厚生年金保険料は報酬額に比例して給与天引きの形で納付します。報酬が上がれば保険料も増えますが、65歳から老齢年金として受け取る給付も結果的には増えることになります。

3.労働保険について

労働保険には「雇用保険」「労働者災害補償保険(労災保険)」があります。

(1) 雇用保険

雇用保険の主な目的は、労働者が失業期間中に次の就職をするまでの生活安定のために、必要な給付を行うことです。
また、労働者の雇用の継続を図るため雇用継続給付を行ったり、能力開発の取り組みを支援し雇用の安定と再就職の促進を図るために教育訓練給付を行ったり、雇用に関する総合的な機能も有しています。
雇用保険の被保険者は、適用事業所に雇用される労働者と定義されていて、代表取締役などは被保険者に該当しません。
雇用保険の事務手続きは、各地域のハローワーク(公共職業安定所)が行っています。

(2) 労働者災害補償保険(労災保険)

労働者災害補償保険(労災保険)は、業務上や通勤中のケガや病気に対する給付の制度であり、全額会社負担であることが特徴です。
労働者を使用するすべての事業所が、原則として強制的に適用事業所となります。

4.その他の制度について

(1)児童手当

児童手当は、家庭の生活安定と児童のすこやかな成長を目的として、中学生までの児童を養育している人に支給されます。
年齢別の支給額は、3歳未満が一人につき15,000円、3歳以上小学生までが一人につき10,000円(3人目以降の児童は15,000円)、中学生(15歳に達する日以降最初の3月31日まで)が一人につき10,000円となっています。

(2)児童扶養手当

児童扶養手当は、父母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭に支給されます。

5.社会保険の申請手続きに関する最近の動きについて

政府は2021年度を目標として、企業が税金や社会保険に関して作成している書類の提出を不要とする仕組みの検討を開始しています。
現在、企業は社会保険関連の多くの書類を作成・提出しており、提出先も税務署、日本年金機構、労働基準監督署等、多岐にわたるため、大きな負担となっています。
今回の改革は、政府認定のクラウドサービスに企業が従業員の給与情報、扶養親族情報、マイナンバー情報などをアップしておけば、行政機関がその情報を収集して手続きを進めていくという仕組みです。
年間1憶件を超えると言われている社会保険申請件数が大幅に減ることで、企業のコスト削減に大きく貢献するとともに、行政機関にとっても書類の保管コスト削減につながるメリットが見込まれています。

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