ファイナンシャルプランナーに相談するには無料相談と有料相談があります。
ほとんどの人は「無料で相談できるんだ~」と有料相談を敬遠しますが、タダにはタダなりに理由があります。
しかし、有料ならいいのかというと、有料でもやはりそれなりに見るべきポイントがあります。
今回は、ファイナンシャルプランナーを活用する意味と、有料の相談の選び方などについてまとめます。
目次
ファイナンシャルプランナーを有料で探す場合のリスク
ファイナンシャルプランナーをいきなり有料前提で探すのはリスクがあります。
例えば、こんな話があります。
主婦のAさんは、子供の将来の学費に備えて家計相談をしたいと考え、ファイナンシャルプランナーの有料相談を利用しました。
Aさんは自分なりにFPの選定条件を決め、信頼できるFPを選んだつもりでしたが、相談結果は期待外れでした。
FPから提案されたプランやアドバイスは、自分が期待していたようなものではなく、一般的なアイデアを自分の条件に当てはめただけだったのです。
不満を感じたAさんは、「どこに相談しても同じだな」と思ってしまいました。
Aさんが不満を感じた理由は、FPとの相性や、FPの得意分野やスタイルが自分と合わなかったことが考えられます。
また、Aさん自身が学費貯蓄の方法や投資のリスクについて詳しく知らなかったことが、相談の結果に影響した可能性もあります。
いずれにしても、せっかくお金を払ったのに、期待した答えが得られないことがある、別のFPに相談したとしても答えはまた同じかもしれない、一体どうすれば・・・?
これが有料相談のリスクです。
実は、このような場合は、別のFPに相談することが必要です。
ファイナンシャルプランナーを活用するメリット
ファイナンシャルプランナーは国家資格であり、個人のライフプランにおける資金計画に対し、専門的な知見に基づいたアドバイスをしてくれます。
一般的な人は、資産運用、保険、税金などの分野について、人生を俯瞰して次の一手を打つだけの知識やスキルを持っていません。
もちろん、資産運用も保険も税金も専門家を頼ることができますが、彼らもまた個人の人生全体を俯瞰してアドバイスするには相応の付き合いがないと難しいものです。私たち一般人が、いきなり人生バランスを意識した提案を期待するのはなかなか難しいものがあります。
ファイナンシャルプランナーであれば、個人のライフスタイルや将来の目標を前提とした上で、プランニングをしてくれます。
老後の生活を見据え、そこから逆算した上で現状の家計はどうあるべきなのか、資産運用はどう考えるべきなのか、保険の見直しは必要ないかといったことに対してアドバイスがもらえるので、相談すれば将来に対する不安を軽減することができます。
ファイナンシャルプランナーに相談できること
ファイナンシャルプランナーに相談できるのは、あなたのライフプランに合わせた資金計画全般です。
私たちの人生には、結婚、出産、子育て、教育、マイホーム、車などなど、多くの出費を必要とするイベントがあります。
それらのイベントを乗り切り、充実した老後を送るために、日々の家計バランスを見直したり、資産運用をしたりして長期に資金計画を立てておくのです。
しかし、計画を立てるには資産形成や節税、保険の見直しなどで専門的な知識が必要となるため、専門家であるファイナンシャルプランナーの出番となります。
ファイナンシャルプランナーから提供されるサービスには以下のようなものがあります。
FPのサービス例
資産運用アドバイス
クライアントの資産に関するアドバイスを提供します。具体的には、クライアントの投資目的、投資リスク、収益性などを考慮して、最適な投資戦略や投資商品を提案可能です。
個人資産管理
クライアントの資産管理に関するアドバイスを提供します。例えば、資産の分散やリバランスなどを行い、リスク管理を行います。
保険アドバイス
クライアントのライフスタイルやニーズに合わせて、最適な保険商品を提案します。具体的には、生命保険、医療保険、損害保険などがあります。
現役引退後のプランニング
クライアントの退職後の生活設計についてアドバイスを提供可能です。具体的には、退職後に備えた貯蓄、生活費の見積もり、社会保障の利用方法などがあります。
相続対策
相続に関するアドバイスも提供可能です。遺言書の作成などにアドバイスが可能です。
有料相談と無料相談、何が違う?
有料相談は、一般的には専門的なアドバイスやプランニング、提案書作成などを行います。
相談に対する具体的な回答を行うことがサービスとして提供されているため、その対価として一定の費用が発生します。
無料相談もユーザーの状況をヒアリングし、アドバイスを行いますが、無料相談の場合、それだけだとただのボランティアになってしまうため、多くの場合、「その後の展開」があります。
(その後の展開例)
- 有料サービスへの誘導
- 提携商品への誘導
基本的には保険や投資商品などの提案が多いようです。
この場合、ファイナンシャルプランナーが所属している企業や、提携している保険会社、金融機関などの商品を売ることを視野にアドバイスをするのがよくあるパターンです。
「有料も無料も結局はお金儲けか」と揶揄する人もいますが、ファイナンシャルプランナーも仕事である以上、料金が絡んでくるのは当たり前です。
有料相談のメリット・デメリット
有料相談のメリット
有料相談のメリットは、専門的なアドバイスやプランニングが得られること、相談者のライフプランにカスタマイズされた提案が受けられることです。
サービス対価としてお金を払っていますから、あなたの個人的な状況や価値観、要望などにカスタマイズしたアドバイスをしてくれます。
有料サービスや提携商品を売ることが目的の無料相談とはここが大きく異なる点であり、最大のメリットです。
有料相談のデメリット
一方で、デメリットとしては、自分に合ったファイナンシャルプランナーを見つけることが難しい場合があるという点が挙げられます。
ファイナンシャルプランナーと言ってもいろいろな人がいるため相性が良くないケースもあるかもしれません。
また、能力的にどうかと疑念を持たざるを得ないケースもあるでしょう。
特に、自分の売上を上げることしか眼中にない人の場合、アドバイスの内容も商品紹介がメインというケースもあります。
そのような事態にならないために、ファイナンシャルプランナーの紹介サービスを利用するのが得策です。
このようなサービスを利用すると、多くの場合、ファイナンシャルプランナーのお試し利用が可能です。
気に入らなければ他の人に変えてもらうといったことができます。もちろん正式契約までは料金は発生しません。
無料相談のメリット・デメリット
無料相談のメリット
無料相談のメリットは、何と言ってもその手軽さにあります。
無料でファイナンシャルプランナーが提供するサービスを体験することができます。
特に初めてファイナンシャルプランナーを利用するという人にとっては良い機会となるでしょう。
無料相談のデメリット
既述の通り、無料相談の多くは最終的に商品やサービスの購入まで持っていくのが目的なので、突っ込んだ内容を相談すると、それに対応したサービスや商品を提案される場合があります。
知恵を借りたいだけなのに売り込みされてしまうとアドバイスの信ぴょう性まで疑ってしまうかもしれません。
さらに、そのファイナンシャルプランナーがノルマに追われて売り込みを行っていることもありえます。
そういったことにいろいろと思いを巡らせなくてはならないのが無料相談のデメリットです。
有料か無料か選ぶポイント
有料か無料か、どちらを選ぶかは、あなたがどんな相談をするのかによって変わってきます。
具体的な相談内容があり、それについてある程度下調べができている状態であれば、無料ではなく有料相談を選ぶべきです。
ファイナンシャルプランナーも突っ込んだ内容でアドバイスをしてくれるでしょう。
しかし、相談内容がまだ漠然としている場合に有料相談をすると、時間を無駄にしてしまう可能性があります。
そういう場合には、とりあえず不安の根本を明確にするためにも、まずは無料相談で概略を伝え、不安の根源を絞り込むのが良いでしょう。
仮に無料相談で何かのサービスなどを提案されても、まだ自分の理解が追い付いてないという理由で断れば大丈夫です。
ファイナンシャルプランナーを利用する際の料金相場
日本FP協会が行った「2021年度ファイナンシャルプランナー実態調査」によると、ファイナンシャルプランナーが1時間あたりで設定している相談料は以下のようになります。
1時間当たりの相談料 | 割合 |
5000円未満 | 14.2% |
5000円~10000円 | 47.3% |
10000円~20000円 | 33.5% |
20000円以上 | 5% |
相談内容や地域によって差はあるものの、1時間当たりの相談料は8100円が平均相場となっています。
また、継続的にアドバイスやライフプランの見直しをする場合は、顧問契約というものもあり、顧問契約料は1か月あたり数千円~数万円まで幅があります。平均は26000円で、顧問契約の7割以上が10000円以上の料金となっています。
ファイナンシャルプランナーに相談する際の事前準備
ファイナンシャルプランナーに相談する際には、自分自身のライフプランや目標を明確にしておくことが重要です。
具体的には、将来のライフスタイルや資産目標、年金や保険などのリスク管理に関する情報を整理し、相談に臨むことが望ましいでしょう。
準備するもの
現在の財務状況のまとめ
現在の収入、支出、資産、負債、保険、年金などの情報をまとめた資料を用意してください。
目標と優先順位
将来の目標や夢、優先順位を明確にしておいてください。例えば、退職資金、子供の教育費、不動産購入、投資目標などが挙げられます。
投資や保険の資料
現在保有している保険や投資商品の契約書、ポートフォリオの詳細、利回り、手数料、税金などの情報を用意してください。
税金関連情報
前年度の確定申告書、源泉徴収票、給与明細、配当金や利子などの投資収益の情報など、税金関連の書類を用意してください。
これらの情報を事前に準備しておくことで、ファイナンシャルプランナーはより詳細かつ効果的なアドバイスを提供することができます。
無料相談を活用しよう
最初が無料で相談できるシステムはメリットが大きいです。
有料相談の場合なら
- 料金に見合った知識が得られるか
- 実際に得られる効果やメリットがあるのか
といったことが気になるはずです。
保険や資産運用、老後のお金など、家計やライフプランにとって重要な事柄を相談する際には的確なアドバイスでなければただの理想論で絵に描いた餅になりかねないからです。
また、ファイナンシャルプランナーとの相性も重要で、相性が悪ければどんなに正論でもすんなりとは腹に落ちません。
会話がすんなり進まなかったり、口調に違和感を覚えたりした場合はそれに慣れる所から始めなくてはならず、料金が余計にかかる原因ともなります。
これらのリスクをできるだけ抑えるには、無料体験ができるサービスを探すことをお勧めします。
実際にやり取りをすれば、こちらの疑問や不安に対してピンポイントで応えられているかどうかを漠然とでも判断できます。判断できそうになければ一旦保留にすることもできます。