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基本の情報⇒SIMとは?
SIMというのは、スマホで電話したりネットしたりするために必要な情報が入っているICカードのことです。電話番号や契約者情報などがこのカードに記録されています。
SIMカード
サイズは3種類
基本的に、スマートフォンはこのSIMカードがなければ使えません。いわば、人間でいえば心臓とか脳といった重要なパーツであり、当然、あなたのスマホにもSIMカードが入っているはずです。
そして、携帯会社との契約内容は、厳密に言えばスマホ本体の中にあるSIMカードに紐づけられているのです。そのため、SIMカードを他の契約内容が書かれたものに変えると、そのスマホの通信料金なども変わるわけです。例えば、ドコモのスマホを持っているのであれば、スマホ本体を変更することなく、ドコモ以外の会社へ契約を変えることができるのです。
SIMカードを他社のものに変更可能にすることをSIMロック解除という
4月の後半から5月にかけて、『SIMロック解除』という言葉がテレビや雑誌で多く取り上げられました。SIMロック解除とは、SIMカードを他社のものに変更できるようにすることをいいます。
例えば、
これがSIMロック解除です。もちろんこれはiPhoneに限った話ではありません。AQUOS(アクオス)だろうがXPERIA(エクスぺリア)だろうがGalaxy(ギャラクシー)だろうがARROWS(アローズ)だろうが、携帯会社が対応可能なスマホであればどれでも同じです。
SIMロック解除が可能になった背景
今まではSIMカードの取り換えは一部の端末を除いては不可能とされていました。ドコモやソフトバンクといった携帯会社がSIMカードの取り換えができないようにロックしていたためです。
ところが、総務省がこの状態を問題視。
『SIMロックって料金の高止まりの原因ですよね?』
『お客さんを自社に縛りつけようとしてません?』
ということになり、2015年5月から、利用者の要望があればSIMロックを解除できるようにすることを義務付けました。大手による寡占化を避け、競争が活発に行われることを狙っていると思われます。
SIMカードを変えるメリットは?
SIMカードを変えられるということは、利用者が手持ちのスマホはそのままに契約だけA社からB社へ変更することが可能になるということです。今までも料金プランの変更は可能でしたが、携帯会社との契約が変わるわけではありません。そのため、携帯代の劇的な節約というわけにはいきませんでした。しかし今後は劇的に安い通信料でサービス提供している他の会社に乗り換えることも容易にできるわけです。
また、ネットで調べてみると、
もうひとつの目的は、手持ちの端末を海外でも手軽に使えるようにすることだ。SIMロックの施された携帯電話やスマートフォンを海外で使う場合、通信キャリアの用意する割高なローミングサービスを使うことになる。だが、SIMロックが解除されていれば、現地の通信キャリアなどが発行する割安なSIMカードを差し込んで使うことができる。
といったこともあるようです。ただ、このケースだと、自力でSIMカードを現地購入し、通信設定までしないとなりませんから、詳しい人や慣れた人限定の大きなメリットといえるでしょう。
とにかく、スマホにかかる毎月の料金を抑えることができるのが大きなメリットです。
携帯会社以外ではどんな選択肢がある?
こうした流れに着目した携帯業界以外の事業者も、携帯会社が持つ回線を間借りする形でスマホの通信サービスをスタートさせています。BIGLOBE(ビッグローブ)とか、ニフティといったインターネット通信関連の会社がそうです。これらの事業者が販売しているSIMカードを手持ちのスマホのSIMカードと入れ替えれば、それまでの大手携帯会社よりもかなり安い料金でスマホを利用することができるようになります。
BIGLOBE(ビッグローブ)
DMM mobile
NIFTY(NifMo)
月額料金を比較してみました。同程度の使用頻度で比較しています。
使用料目安 | BIGLOBE | DMM mobile | NIFTY NifMo |
通話 ネット閲覧少々 メール受信少々 |
1600円/月 | 1260円/月 | 1600円/月 |
通話 メール受信20通~30通 ネット閲覧50ページ 動画5分程度 ※一日あたり |
1800円/月 | 1550円/月 | 1600円/月 |
通話 メール受信30通~40通 ネット閲覧50ページ 動画閲覧20分程度 ※一日あたり |
2405円/月 | 2740円/月 | 2300円/月 |
通話 メール受信60通~70通 ネット閲覧50ページ 動画40分程度 ※一日あたり |
4690円/月 | 2950円/月 | 3500円/月 |
上の比較は3社のみですが、SIMカードを販売している業者は他にもいろいろとあります。そして各社とも格安料金での利用を謳っています。携帯会社だと6000円とか7000円かかっていた基本料金が、1000円~2000円程度にまで下げることも可能になってきています。
格安SIMだとなぜ安い?
これらの会社の契約がなぜ安いかというと、回線を間借りしているので設備投資などの巨額な固定費がかからないことに加え、使えるデータ量やデータスピードを制限しているからです。
携帯電話やスマホの通信料金というのは、基本的にはたくさんのデータをやりとりすればそれに比例して高額になるものです。しかし、格安SIMの場合は利用できる通信量の上限が低めに設定されているため、低料金でサービス提供できるようになっています。仮に、通信量が契約の上限に達してしまった場合は、翌月になるまで低速の通信に自動的に切り替わるため、つい使いすぎて高額な請求がくるなんて心配も無用です。また、会社によっては臨時で通信量を追加購入することができるところもあります。
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(株)の調査によると、スマホユーザーの実に7割が月間1GB未満になっているそうです。多くの人は、月間4GBとか5GBの利用を前提にした契約をしており、そういう場合はこれらの格安SIMカードに変更すれば携帯料金の節約が可能です。
もっとも、そうはならない、向かない人もいます。
格安SIMが向かない人
スマホでネットをしっかり利用しているという人や、通話をかなりするという人にはこれらの格安SIMカードは向きません。
スマホをしっかり利用する人というのは、突き詰めて言えば動画をよく見る人です。毎日、wifi以外の携帯回線を使って動画を見ているような人だと、月間のデータ通信量は10GBあっても足りないかもしれません。
また、通話をかなりしている人だと、格安SIMカードを利用するのは注意が必要です。なぜなら格安SIMカードの場合は30秒で20円の通話料がかかってくるからです。30秒で20円ということは、1分で40円、5分で200円です。仮に、毎日5分電話で話しただけでも、
200円×30日=6000円
6000円の通話料が別途かかってしまいます。これだと本末転倒です。
こういう場合は、LINEの無料通話機能や050plusといった無料通話アプリを使えば通話料はかなり削減できます。ただしこれらの無料通話サービスは会員同士でないと利用できなかったり、通話品質が著しく悪かったりと、芳しくない評判があるのも事実です。
そこでおすすめなのが『LINE電話』です。有料にはなりますが、普通の電話とほぼ同じ感覚で通話ができ、通話料も従来の20円/30秒よりはかなり安くなっています。
携帯、スマホへの電話・・・14円/分
固定電話への電話・・・3円/分
※コールクレジットという決済方法の場合
音声通話可能なSIMカードか、データ通信専用のSIMカードか・・・
どこのSIMカードも、データ通信のみか、音声通話機能を付けるかで月額料金が変わってきます。音声通話もできるタイプのSIMカードだと、700円~800円程度割高になるパターンが一般的なようです。データ通信のみだと、月額700円程度のところもあります。
スマホを持っている以上、電話としての利用もするはずですから、音声通話可能なタイプにしたいところですが、既述のとおり、LINE電話や050plusといった通話機能を持ったアプリをダウンロードすれば、データ通信のみのSIMカードでも通話が可能です。しかも料金的には20円/30秒よりもはるかに安く通話が可能です。
とにかくスマホにかかる料金を節約したい方には、SIMカードはデータ通信のみにして、通話はLINE電話もしくは050plusを利用することをおすすめします。
ただし、留意しておく点もあります。
NIFTYに問い合わせたところ、アプリからの通話をする場合は、その通話もデータ通信としてカウントされてしまうそうです。
音声通話可能なタイプで契約しておけば電話は音声、ネットはデータ通信として分けてカウントされますから、通話の際に利用データ量の増加を気にする必要はありません(通話料はかかってきます)。
しかし、データ通信専用のタイプで通話アプリを利用して通話すると、その通話もデータ通信としてカウントされます。
NIFTYのサポートによると、
『例えば、3GBのデータ通信専用コースで3GB使った状態だと通話も非常にしにくい状況になると思われます。』
ということでした。
このことはおそらく他の格安SIMでも同様と思われますので注意が必要です。
というわけで、この格安SIMカードは、気合を入れて月々の通信量の節約をしたい人にはうってつけのサービスです。ただし、利用の仕方によっては思わぬストレスを感じる場合もありますから、検討する際には各社の公式サイトで良く自分の利用状況を想定してコースを選ぶようにしましょう。