カードローンは認知度も高く、電車の中でも街中でも、いたるところで広告を目にする機会があります。
一日のうちで何度も何度も繰り返し広告を見ているうちに、なんとなく抵抗感が少なくなってくるものですが、カードローンを利用するにあたっては肝に銘じておかなくてはならないリスクもあります。
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住宅ローンや教育ローンには不利になることも
銀行などから大口の融資を予定している場合は、カードローンの利用はプラスにはなりません。
カードローンの契約をすると、融資の限度額というものが設定されます。よく、"枠"などと言われますが、この枠を持っている時点で、例え実際の借金はしていなくても枠分の借金をしているとみなされることがよくあります。
これはクレジットカードも同様で、キャッシング機能がついたクレジットカードだと、キャッシング可能額分の借金をしているとみなして審査されることがあります。これは"たまにある"程度ではなく、よくある話です。
ですから、キャッシング枠が30万円ついているクレジットカードを3枚持っていたとしたら、それだけで90万の借り入れがあるものとして扱われ、場合によっては住宅ローンなどの融資が厳しくなることがあるわけです。カードローンも同じで、限度額30万円の契約をしているのであれば、30万円の借金をしているとみなされるわけです。むろん、こうした借金があることはどんなローン審査でも、マイナスにはなってもプラスにはなりません。
依存症になってしまいやすい
カードローンやクレジットカードは、便利な反面、収入以上の生活が短期的にはできてしまいます。
足りなくなったら借りることで欲しいものが簡単に手に入りますし生活費もさほど節約を意識しなくても捻出できてしまいます。
さらに一番恐ろしいのは借金の返済金も借りれてしまうということです。
例えば、カードローンの返済が1万円であった場合、返済日前日に1万円新たに借り入れて返済資金にすれば、実質の負担は利息のみでしのぐことが可能です。
実際には利息の負担が増えることになりますが、利息の負担分は実感として大した負担とは感じにくいため、こうしたやりくりをしてしまえば、月々の返済は問題なくやり過ごすことが可能です。
ボーナスなど、まとまったお金が入ってくる目途があり、その時に一気に返済できるのであればこうしたやり方は一つのテクニックということもできます。しかし、そうでなければただの自転車操業ですからいずれ返済に行き詰まりブラックリスト入りなんてことにもなりかねません。
収入が下がれば返済が滞る
返済ができるのも収入があればこそです。
もし、病気やけが、あるは会社の事情で収入が下がったりした場合、途端に生活費に影響がでてきます。
カードローンからの借り入れを生活費の当てにしているようだとちょっとした収入ダウンで途端に返済に窮する事態にもなりかねません。
多重債務になる人も
上記のような返済金の為の借り入れを契約限度額の枠内で繰り返しているうちはまだなんとかなっていますが、それもいずれは行き詰ります。なぜなら利息分のみ借金は増えているからです。
きちんと返済をしているつもりでも、なんだかんだでやがて限度額の制限を意識せざるを得ない状況になり、他社のカードローンを利用するようになる人もいます。
限度額の増額という手を使うのも一つの方法ですが、返済に窮することが目に見えている場合は限度額に余裕があって滞りなく返済できているうちに他のカードローンを一枚作っておくという選択をする人もいます。
行き詰って違法な高利貸しを利用してしまう
多重債務状態になると、カードローンのリスクはいよいよ健在化してきます。
返済のための借金を繰り返しても利息は増え続け、月を追うごとに限度額に近づいてきますし、2社、3社とカードローンを利用している状態では新たな借り入れ先もなかなか見つからない状況になります。
この段階にまでなると、やむなく高利貸しを利用して急場をしのごうと考える状態になってきます。
が、複数社から借り入れていて、限度額の増額も不可能、追加の借り入れ先も見つからないのであれば、もう頼るのは銀行や貸金業者ではなく弁護士さんなどです。
生活を切り詰めるだけでは借金は減らない状態であれば、法的な整理も視野に入ってきます。
自己破産などの法的整理
借金が膨れ上がり、自力での返済ができないのであれば、法的な整理を考えなくてはなりません。
法的整理というと自己破産が真っ先に思い浮かびますが、実際には他にも何通りかの整理方法があります。
状況に応じてどのような選択をするかを弁護士などと相談するわけですが、どんな選択であれ、法的な整理をしたとなると個人信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆるブラックリストです。
一旦事故情報が登録されると、7年から10年程度はその事故情報が登録され続けますから、その間は新たな借金は一切できなくなります。
以上がカードローンを利用する場合のリスクで主なものです。
最終的にどうにもならなくなれば借金の整理ということになり、ブラックリストにも載って一定期間借金ができなくなる。行きつく先はそういうことですが、人によっては、「これはリスクとは限らない』という人もいます。
借金癖というのはタバコやお酒同様に、直すのに一苦労するものです。
しかし、借り入れが一切できなくなれば、収入に応じた生活を否応なくすることになります。つまり、借金癖を直す良い機会だといえるわけです。
一方、最悪なパターンは、違法な貸金業者を利用してしまうことです。最初から違法と承知でお金を貸している人たちですから、人生を棒に振るようなことにもなりかねません。これがカードローンを利用する場合の最大のリスクだと言ってよいでしょう。
カードローンを利用する場合には、返済のあてがあること、これが大前提です。