従来、怒鳴ったり、脅したりという怖いイメージがある闇金。けれども、最近、電話対応が親切丁寧な「ソフト闇金」が増えているそうです。先日の『ビビット』ではソフト闇金の仕組みを紹介していました。闇金の被害に合わないためにも、闇金業者の手口を知っておきましょう。
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ソフト闇金の被害者の多くは主婦
闇金問題に詳しい下東洋介司法書士(しもひがし法務司法書士事務所)によると、夫や家族に借金を内緒にしたい主婦が特にソフト闇金から狙われているそうです。専業主婦は消費者金融から借金をする場合、夫の許可を必要とします。けれども、闇金なら夫に言わずに即日融資を受けることができるのです。また、パートの主婦も、正規の金融機関では、収入の3分の1までしか借金ができません。それで、簡単に借りることができる闇金から、ついつい借りてしまうケースが多いとのことです。
ソフト闇金は、親切丁寧な対応で主婦を信用させたり、友達のような口調で主婦を取り込んだりします。ソフト闇金と呼ばれているのは、対応がソフトだからで、10日で1割(トイチ)、10日で3割(トサン)というような法外な利息は、通常の闇金と変わりません。
ソフト闇金の借金が膨れ上がる仕組み
下東氏によると、闇金は債務者の情報を売っているそうです。それで、1度お金を借りると他の闇金からも狙われることになります。また、いくつもの闇金がグルになっている場合もあるとのことです。
Aさん(30代主婦)は生活費を補充するため、ソフト闇金から2万円を1週間で5割の利息(年利2607%)という出資法の上限金利(20%)の約130倍で借りました。Aさんは、その業者を闇金だとは思っていなかったし、3万円なら簡単に返せると思っていたのです。
ビビットより
2万円を借りた翌日、他の業者から連絡があり、前日借りた業者よりも安い利息(1週間で3割)で貸すといわれ、3万円を借りてしまいます。この時点でAさんの借金は3万円から3万9千円に増えています。
ビビットより
親切だし利息が安くなるということで、闇金の被害に合っているとは気がつかず、次々に連絡のくる闇金業者から借り続け、Aさんの借金は50万円に膨れ上がってしまいました。
闇金被害の相談は司法書士へ
Aさんは、どうしても借金が返済できなくなり司法書士に相談しました。その結果、闇金から借りたお金は返済しなくても良いということになったそうです。Aさんは、借金のことはついにご主人には話せなかったとのことです。
Aさんは、司法書士に相談できたので借金から逃れることができました。けれども、誰にも相談できずに苦しんでいる場合も…。
返済ができないと脅されたり、怒鳴られたりすることも
お金を貸すときはソフトな口調でも、返済が滞れば従来の闇金のように恫喝されたり、脅されたりすることもあるとのことです。たとえ、「返済が遅くなってもいいから」などの口車に乗せられて借りてもです。さらに、家族、親戚、会社、友人などにも闇金業者から取立ての連絡がいくこともあります。夫に借金を内緒にするために闇金から借りたのに、より多くの人に迷惑をかける結果になるのです。
なぜ闇金業者は捕まらないのか?
番組の取材に応じたソフト闇金業者は、10年以上捕まっていないといいます。違法な闇金業者がなかなか逮捕されないのは、連絡手段がメールや携帯電話だけなので所在を見つけることが難しいからだそうです。
まとめ
お金のことは、家族や友人など身近な人にも相談しにくい問題です。けれども、どんなに困っても、闇金やソフト闇金からお金を借りてはいけません。闇金からの借金は、犯罪に巻き込まれるなど、取り返しのつかないことが起こる場合もあるということを覚えておきましょう。