近年、お金に関する悩みや不安が増えている中で、ファイナンシャルプランナーに相談する方が増えています。
しかし、ファイナンシャルプランナーを有効に活用するには、選び方はもちろん、相談の仕方にも注意が必要です。
そこで、今回はファイナンシャルプランナーに相談する際の注意点や、適切なプランナーを選ぶためのポイント、そしてファイナンシャルプランナーの種類について解説していきます。
目次
ファイナンシャルプランナーに相談する時の注意点
料金はいくらか?
ファイナンシャルプランナーの料金はさまざまなパターンがあります。
日本FP協会の調査によると、1時間につき「5,000円から1万円程度」がもっとも多く、安いところは5000円以下、高いところは2万円以上というケースもあるようです。
また、無料相談できるファイナンシャルプランナーもありますが、無料の場合は自社の金融商品の売り込みがあったり、アドバイスの内容を制限していることもあります。
料金については、事前に確認しておくことが大切です。
相談内容は具体的に
ファイナンシャルプランナーに相談する際には、より具体的に伝えるように心がけましょう。
自分自身の事例を伝えることで、FPはより適切なアドバイスを提供することができます。
例えば、マイホームの資金計画や保険の見直し、不動産の取得など、具体的なテーマを決めて、どうしたいのか、どうなりたいのかを具体的に伝えることが重要です。
相談する内容があいまいだと、FPからアドバイスを受けても具体的な行動が分からず、結果的に時間とお金の浪費となってしまうリスクもあります。
具体的に聞くためには、相談前に自分自身でリサーチしておく必要もあるかもしれません。
そうすることで自分の頭の中の情報を整理し、FPとのやり取りが濃密なものになります。
得意分野と苦手分野があることを理解しておく
ファイナンシャルプランナーには得意分野と苦手分野があります。
FPが扱う分野は金融、保険、不動産、相続、年金など、非常に広範囲であり、全ての分野において満点のアドバイスができるFPはほとんどいないでしょう。
自分の相談する内容を具体的に考えたら、その分野を得意としてそうなFPをネットで探してみることが重要です。
相談内容を詳細に伝えることで、FPが得意な分野やアドバイスできる範囲を把握し、的確なアドバイスをしてくれることが期待できます。
ファイナンシャルプランナーに相談するのは危険?
ファイナンシャルプランナーに相談することを危険視する人も中にはいます。
そういう人は、高額な相談料を取られる可能性や、何かの契約を迫られる可能性、あるいは情報目的である可能性などを指摘します。
しかし、ほとんどの場合、間違っています。
料金については、FP協会による調査で、相場が5000円~1万円ということが分かっており、それと比較すれば相場外れな相談料を取られる心配はありません。
また、無料相談を利用した場合は特定の商品やサービスを勧められることもありますが、必要性を感じなければきっぱりと断れば問題ありません。もし断る自信がないということであれば、無料相談は避けて有料相談を選ぶべきです。
資産情報を知らせることに抵抗がある人は、税理士事務所や会計事務所などで相談するのがおすすめです。
それらの事務所はFP以外の資格で事務所を構えている人たちであり、利用する側にとっては安心感を持つことができます。
家計のことを他人に相談するという文化がまだまだ根付いていないため、FPに相談することに抵抗を感じる人も少なくありませんが、しっかりと情報を収集すれば危険性はほぼありません。
ファイナンシャルプランナーの選び方
資格を保有しているかどうか
ファイナンシャルプランナーを選ぶ際には保有する資格に注目しましょう。
資格の有無は、相談者のFPに対する信頼度に大きな影響を与えます。
あなたが何か相談をするときに、相手が無資格なのと有資格なのとでは信頼感がまるで違うはずです。信頼感がなければ、アドバイスを受け入れることもできないでしょう。
FPに求められる資格は、FP技能士、CFP、AFPの3つです。
FP技能士は国家資格で一度取得すれば更新制度はありません。
一方、CFPやAFPは民間資格で、定期的な更新時教育があります。CFPやAFPの資格を持っているということは、そうした更新時研修にも参加して定期的に知識をブラッシュアップしていることの証しでもあります。
ちなみにFP関連資格の中では、1級FP技能士とCFPが難関です。
これらの資格は一筋縄で取得できる資格ではないため、相応の熱量をもってこの分野の勉強をしている人だといえます。
このように、FP選びにおいて、資格に着目することは一つのものさしにもなるので必ず確認しましょう。
相談内容に適したFPがいるかどうか
既述の通り、ファイナンシャルプランナーにはそれぞれ得意分野や不得意分野があります。
ユーザーが外から実情を知るのは難しいものの、ホームページのメニューや相談実績などを見れば、そのFPがどのような相談に対応できるか予想がつく場合もあります。かりに、「〇〇ならお任せ!」といった具合に強みをアピールしている場合は自信がある証拠でもあり、安心して相談できます。
しかし、どうしても予想できない場合は事前に電話やメールで確認することをおすすめします。
初回無料相談可能か
企業系FPでなくても初回無料相談ができるところがあります。
初めて相談する場合にいきなり有料相談はハードルが高く感じるかもしれませんが、無料相談であれば気軽に受けて、相性や印象を確認できます。
何十分かの間に自分の相談に親身になってくれそうかを確認してから契約すればハズレを引く可能性も低くなるでしょう。
関連資格を持っているか
FP資格だけでなく関連資格の有無も確認できれば有力な判断材料になります。
ファイナンシャルプランナーの中には、証券外務員や簿記、ローンアドバイザーといった関連資格を持っているケースがあります。
関連資格を持っていればその分野に詳しいと判断できるため、より専門的なアドバイスを受けることができます。
また、関連資格はそのFPが自己啓発に努めている証拠でもあります。その分野に関する相談であれば、より的確なアドバイスを受けることができるでしょう。
ファイナンシャルプランナーの専門分野
ファイナンシャルプランナーは、金融全般に関する専門的な知識で、顧客のライフプランの策定や資産形成をサポートするプロフェッショナルです。
彼らは、金融、税制、不動産、保険、相続、年金など、お金に関する幅広い分野の専門知識を持っています。
例えば、金融に関しては、投資や資産運用のアドバイスを行うことができます。
具体的には、株式や債券、投資信託などの投資商品や、リスク分散のためのポートフォリオの構築に関してアドバイスができます。また、個人の資産状況やリスク許容度に応じた適切な運用方法も提案します。
不動産に関しては、購入や売却、賃貸などでよくある疑問点に対してアドバイスを提供することができます。FPが関わる業務分野の中でもかなり多いのがこの不動産関連の業務と言われています。具体的には不動産の運用設計などを行います。
保険に関しては、保険商品の比較や適切な保険選びのアドバイスを行います。具体的には、生命保険や医療保険、自動車保険などの保険商品を比較し、顧客に合った保険商品を提案します。
相続に関しては、相続手続きや相続税のアドバイスを行います。
年金に関しては、年金制度や年金受給方法についてのアドバイスを行います。公的年金制度や企業年金制度、個人年金制度などについて解説し、受給方法や受給額の見込みなどを提案します。
ファイナンシャルプランナーは、個人だけでなく法人の顧客にも対応しています。企業の場合、資金調達や資金管理、福利厚生制度などに関するアドバイスや提案を行うことができます。また、社員の退職金や年金制度などの運用方法についてのアドバイスを行うこともあります。
2パータンあるファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーには、主に企業系ファイナンシャルプランナーと独立系ファイナンシャルプランナー、2つの種類があります。
企業系ファイナンシャルプランナーは、金融機関や保険会社、証券会社などに所属している人たちのことを指します。
一般的には、無料相談を受け付けていることが多いですが、自社商品しか取り扱っていない場合が多く、アドバイスもその企業の商品やサービスを利用することを前提としたものになりがちです。
FP選びの際や、相談前にはそのことを理解しておかないと、不信感の原因となるので注意が必要です。
一方、独立系ファイナンシャルプランナーは、特定の金融機関や保険会社などに所属せず、独立して活動しています。
組織に所属してないため、特定の商品に偏ることなく、顧客に最適な金融商品やサービスを、中立的な視点でアドバイスしてくれます。
ただし、基本は有料相談となりますが、相談料を払っているので企業系FPにありがちは商品やサービスの売り込みはかなり控え目です。場合によっては「希望されない限りは商品やサービスは提案しない」というFPもいます。
企業系FPと独立系FPに優劣はない
企業系と独立系、どちらが良いということはありません。
自分の悩みを解決してくれるなら商品やサービスの契約も厭わないという場合であれば企業系の無料相談を気軽に受けてみるのも良いでしょう。
一方、やはり特定の商品やサービスに縛られている人からはアドバイスを受けたくないというケースは有料相談がおすすめです。
もっとも、最近は独立系ファイナンシャルプランナーであっても初回無料というケースは少なくありません。
また、ファイナンシャルプランナーを紹介してくれるサービスを利用すれば納得するまで紹介を受けることもできます。
自分のニーズにあったFPに出会えそうなところを選ぶとよいでしょう。