日本金融新聞によると、
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日本貸金業協会が平成二十四年度税制改正要望として意見を付したのは、
「過払い利息返還にかかる法人税の繰り戻し還付」など八項目。
この内容は、
「貸金業者は、昭和五十八年施行の貸金業の規制等に関する法律を順守して営業を行い、利息については、同法四十三条の規定に基づき、益金としてそれぞれ受け取り年度において収益計上し、各年度の決算に基づき納税を行ってきた。しかし、平成十八年一月の最高裁判所の判決以降、過去に収益として計上した利息に対する過払い利息返還が急増している。ついては、過払い利息返還にかかる損失分について、民法上の事項である十年を限度として課税されたか年度の法人税額を還付していただきたい。」
というものである。
このことが実施されたと仮定した場合の効果については、
「貸金業界には、預金取扱金融機関にはできない少額、無担保、短期、緊急という資金を庶民や零細事業者に供給する金融機関としての機能を果たすことが求められている。協会員に対する調査に基づく平成二十一年度の利息返還金および元本毀損額の合計は一兆一千億円であり、これに対して税率30%として計算すると還付金額は約三千差百億円となる。これは平成二十二年三月末の消費者向け無担保貸付残高(九兆円)の3.6%あまりにもなるため、貸金業者の資金供給能力と過払い利息返還余力の改善につながる。」
としている。
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ということです。
難しい内容ですが、要約すると、
過払い金返還で過去に得た利益を吐き出している。
過去に払った税金は、過払い金が含まれた利益をベースに計算されたものだから、過払い金を返還する義務があるなら、税金も過払いしていることになるでしょ?
返してよ!
ということです。
これには一理ありますね。
税金算出のベース(利益)自体が多すぎたってことですから、当然、税金も多く払い過ぎているって話です。
一年間に過払い金として消費者金融から消費者へ返還された金額が一兆円を超えてるわけですから、納税の過払い金も法人税30%だとしても3000億円を超えるわけです。
これらの金額が国から消費者金融などに還付されれば、確かに資金供給能力の改善にはつながるでしょうね。
ただ、業界の話では、政府による政治判断で、これは認められないだろうって話です。
そもそも、国に財源がなくて困ってる状況ですから、一旦国庫に納められた税金、それも三千億円もの大金をわざわざ問題山積みの消費者金融に返還したりはしないだろうと。
ん~、結局取ったもん勝ちってことなんでしょうか。
常識では考えられないように思うのですが。。。
ちなみに、この辺のことは、超党派の国会議員の勉強会でも話題になっており、議員さんの中にも
『還付するのが当たり前じゃないの?』
という意見があるようです。