学生ローンというと、日本では大学生が消費者金融からキャッシングしたり信販会社でローンを組んだりといったイメージがあります。
一方、アメリカで学生ローンというと大学生が授業料などを支払うために公的機関から借りるローンを指す場合が多いようです。
日本でいうと奨学金のような感じでしょうか。
日本の奨学金も返済が大変だと問題となっていますがアメリカの学生ローンはもっと深刻です。
日本の場合は大学までは親が面倒を見るケースが比較的多く、借金するとしたら親が借金して子供のために学費を工面することが多いのではないでしょうか?
しかし、アメリカでは大学の学費等は親に頼らず本人が自力で資金をなんとか工面するケースが多いようです。日本以上にアメリカも大学関連の費用は高額で、一説によると公立大学で年間200万円弱、私立大学になると年間400万とか500万とかかかってくるそうです。4年制大学だと×4ということですから家が買えるような途方もない金額になってきます。
こうしたお金を賄うために、アメリカの大学生たちはローンを利用します。民間ローンもあるでしょうが、連邦政府や教育省といった国から借入るローンもあります。
そして、今現在、この学生ローンを抱えている大卒社会人はなんと4000万人。その総額は120兆円にものぼります。これはアメリカの自動車ローンの総額を上回るとてつもない額です。
さらに状況を悪くしているのが不況の影響で仕事がなかなかないということです。
せっかくローンまで組んで大学を出ても、それに見合った仕事がない。
大卒を武器にそれなりの会社でそれなりの収入を得て、、、という目論みが外れてしまったというケースが続出しているのです。ローンの返済は多額、仕事はアルバイトを掛け持ちしてやっと食いつなぐといった状況に苦しむ20代、30代の若者が急速に増えてきており、今後のアメリカ経済へ深刻なダメージとなるのではと専門家は警鐘を慣らしています。
20歳そこそこで1000万円クラスの借金を抱えての社会人デビューというのはかなりのハンデではないでしょうか。それだけのリスクを抱えても良い見返りがあるなら良いですが、その見返りが非常に少なくなりつつある現状ではアメリカの格差社会もさらに進行していきそうです。
その後の人生設計に少なからず影響を与えてしまいます。