みなさんはネットで買い物をしたことがありますか?
ネット通販ではAmazonと楽天が二大巨頭。商品名で検索したらAmazonか楽天のページが上位表示されていることが多いので、ネット通販を経験している方ならAmazonを利用されたことがある人も多いと思います。かつては"アマゾンといえば本屋"という認識でしたが、それも今ではすっかり様変わりし、今や"なんでも買える便利なネットショップ"になっています。
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しかし、Amazonの購入で失敗した人も多くいます。
引用元:Amazon
購入者が低い評価をつける理由は様々ですが、いろいろなレビューを見ていくと、どうやら一番多いのは注文処理の手違いか商品の品質が悪いということのようです。思っていた手順と違った、思っていた商品と違った、という場合ですね。どちらも販売者側の意識にある程度依存する要因です。
この場合の販売者というのはAmazon本体や楽天本体ももちろんそうですが、そこに出店しているショップ(販売者)も含まれます。
目次
Amazonへの出店は誰でも容易にできる
実はAmazonも楽天も条件さえ満たせば誰でも出店できます。出店できますが、月額費用が数万円以上かかる楽天に比べ、Amazonは大口出品でも月に5000円ほどで済みますので楽天よりは出店ハードルが低めです。この点に注目してAmazonへ副業目的で出店する人がここ数年で増加し、ちょっとしたブームになっています。
ところが、消費者にとってはこのブームが必ずしもプラスにはなってないケースがあります。というのは、副業目的でAmazonに出店した人の中には、中国から輸入した粗悪品を販売しているケースが少なからずあるからです。
もちろん、中国からの輸入品がすべて粗悪品というわけではありません。しかし、日本企業が製造段階から絡んでいるルートではなく、個人輸入という形で中国のネットショップから直接買い付けるルートの場合、"粗悪品率"は跳ね上がります。
筆者は昨年まで中国のタオバオというネット上のショッピングモールから商品を仕入れ、日本のAmazonで販売していました。中国の商品を格安で仕入れ、日本で販売することで利益を得ていたわけです。しかし、1年半ほどで早々にやめることにしました。なぜなら商品の品質があまりに劣悪だからです。
中国から届いた粗悪品
実際に筆者が体験した例をご紹介します。
これは中国から届いた荷物を開けた時の写真です。Amazonで売ろうと仕入れた商品です。
箱の中がぐちゃぐちゃなのがわかると思います。
乱雑に扱われているため、中に入っていた購入商品も外箱が破損し、中身が散乱しています。
緑の箱が無残に破れてしまっています。
こちらの木箱には細かいともいえないような傷が表面のあちこちについていました。
これもパッケージが破損。
これは鈴ですが肝心の鈴の部分が一つ取れてしまっています。
これも外箱が破れてしまっていますね。
服もひどいものがたくさんあります。
糸がほつれているのは当たり前。
商品を取り出し2~3回上下にゆすると、糸くずがボロボロ落ちてきます。
さらには、
インクやミシン油とおぼしきシミがついている
色合いにムラがある
縫製不良
SサイズもMサイズもLサイズも同じ大きさ
MサイズよりもLサイズの方が小さい
といったことも何度も経験しました。
そして、一番の問題は、こうした粗悪品が、そのままAmazonで販売されていることです。
検品しない出品者たち
筆者の場合は、可能なものは仕入れ時に中身を取り出してチェックしていました。パッケージの破損はその旨を商品説明や画像でオープンにし、商品に傷等ある場合は難あり商品として中古品扱いで販売していました。もちろんどうにもならなくて捨てる商品もありました。
ですが、それらの処理には膨大な時間がかかってしまいます。そこがネックとなって私は辞めましたが、同業者の中には、チェックはほとんどせずにAmazonで販売しているケースがありましたし、今もあるようです。
既述の通り、Amazonに出店して中国から輸入した商品を販売するのはちょっとしたブームです。つまり、筆者に届いたのと同じような商品が全体としては大量に届いているはずで、粗悪品をそのまま販売しているケースが後を絶たない状況です。
結果、以下のようなレビューが投稿されることになります。
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そこで、このような粗悪品をできるだけつかまないためにはどうしたらよいかを筆者の販売者としての経験を基にまとめてみました。
不良品をつかまないための心得
1.評価を見る
Amazonに掲載されている顧客評価には、大きく分けて2種類あります。
商品に対する評価(カスタマーレビュー)と出品者に対する評価です。
商品に対する評価で、品質が悪い、写真と違うといったレビューが複数ある場合は購入は避けましょう。
このように低評価なレビューが多い場合は粗悪品が届く確率がかなり高くなります。
次に、"出品者に対する評価"では、トータルでの評価が90%を割り込むようであれば避けた方が無難です。
以下はとあるショップに対する評価です。90%どころか、80%も割り込んでいます。
中国から個人輸入している出品者は、出品者に対する評価が90%を割り込まないようにあの手この手を使います。下の画像は上の評価画像とはまた別の出品者のものです。
なぜここまでするかというと、評価が90%を割り込むと成約率が下がるという認識があるからです。にもかかわらず90%を割り込んでいるということは、そもそも評価を気にしてない(=顧客を気にしてない)か、努力してもなお90%を割り込むような状況に陥っているといえます。
2.誰が販売者かを見る
誰が販売者かというのは不良品回避のための一つの助けになります。基本的に、Amazonが販売、発送であれば信頼して良いでしょう(というか信頼するしかありません)。
正直なところ、Amazonが販売していても不良品はあります。しかし、AmazonのサイトでAmazonが販売しているわけですから、まずは一番信用のできる販売者とみるべきでしょう。そして、この販売者が見慣れないショップ名の場合は一応の注意が必要です。
もちろん、販売者がAmazonじゃないからといって、ダメな販売者と決まるわけではありません。雑貨ブランドや家電量販店など、Amazonに出店している有名な企業はたくさんありますし、個人や零細企業でも健全に運営されている販売者はたくさんあります。 『一応注意しましょうね』ということです。
3.商品画像を見る
商品画像を見ても、怪しいかどうかの判断ができる場合があります。
Amazonで商品画像を掲載する場合にはルールがあります。一番わかりやすいルールは、
・メイン画像(一番最初に表示されている画像)には商品以外映っていたらダメ
・メイン画像の背景は白でないとダメ
というものです。例えば、以下のような画像はNGです。
引用元:Amazon
上の画像の場合、商品のカチンコ以外に手や背景画像が映っています。このような画像はAmazonの規約に違反しています。つまり、ルール違反している出品者ということになります。この商品の場合、以下のような画像であれば規約を守っている出品者ということになります。
引用元:Amazon
基本的に、中国から個人輸入された商品の場合、いちいち商品画像を撮影するのが面倒なので、中国のネットショップの画像がそのまま使われている場合も少なくありません。
例えば、上の画像の場合は、中国のタオバオというショッピングモールの画像がそのまま使われています。
引用元:タオバオ
上記以外にもタオバオの画像とほぼ同じ画像は探せばたくさんあります。
ちなみに、衣服の場合は、モデルが着用している画像はOKですが、背景が白以外のものはNGです。つまり、一番上の画像はAmazonルールではNGです。『少々構わないだろう』というルーズなところがあるか、そもそも規約なんて気にしてないかのどちらかです。絶対に不良品が送られてくるわけではありませんが、ルールに対応していない出品者ということで、「不良品が送られてくるかも・・・」という覚悟を持っておいた方が良いでしょう。
また、服が商品の場合には、厳密にはバッグや帽子などが写っている場合もNGです。よって2番目、3番目の画像も厳密にはルール違反ということになります。
4.出品者の他の出品アイテムを見る
専門性を持った販売者であれば、出品している商品は同じカテゴリに属しているはずです。時計に専門性を持っているのであれば、時計もしくはその周辺アイテムが品揃えのメインになるはずです。
しかし、服もあり、雑貨もあり、おもちゃもあり、アダルトもありといった出品者の場合は、売れそうなものを手当たり次第に仕入れて販売しています。言うまでもなくそういう出品者は専門性が低く、結果、仕入れた商品の検品等も"浅く広く"になってしまいますし、商品の現物すら見ずに出品しているケースもあります。
昨今話題の偽ブランド品やコピー商品についても、有名でないブランドだと出品者がそれと気づかずに仕入れて販売しているケースもあります(有名ブランドのニセモノだと基本的に税関で没収されます)。
出品者の品揃えを見ることでそうした状況に気づくきっかけになるわけです。
また、同じカテゴリの商品ばかりで品揃えされていても、カスタマーレビューが低評価ばかりというケースもあります。下の画像は、ある出品者の商品一覧ページです。
星3つ以下のレビューが目立つ
出品者の品ぞろえを一覧で見えるので、評価がどの程度の商品を品揃えしているか、見極めに役立ちます。低い評価が目立っていれば、その出品者からの購入は避けた方が無難です。特に、ギフト用といった用途で利用すると目も当てられない結果になりかねません。
以上、いろいろと事例をご紹介しました。
副業目的でAmazonに出店する人の中には、悪気はないけど知識もないという人が多くいます。Amazon通販で不良品をつかまないためには、買う側も購入先の選定眼を持つ必要がある、そんな状況になってきているといえるでしょう。